会社の税金対策基礎講座

会社の経営は人・金・物を集めてて行われますが、これらの経営資源が有効に活用されたという証が会社の利益です。

そこで気になるのが税金ですが、言うまでもなく税率は100パーセントではありませんので利益の中から税金を払っても6割、7割程度は手元に資金が残るのです。

ところが節税を主たる目的とした投資効果の低い支出を重ねてしまいますと税金の負担が軽くなっても手許にキャッシュが残らないことがあります。

新設法人の9割は10年以内になくなってしまうと言われています。
残りの1割に勝ち残るためには将来の不確定要素に備えるための内部留保及び未来事業のための投資の原資としての利益が必要です。

税金対策は資金を伴った利益確保に資する手段とならなければならないでしょう。

   

法人Q&A


Q1. パソコンの本体価額とアプリケ−ションソフトとの区分
Q2. 中古家屋の耐用年数の見積り
Q3. 会社設立1期目の経費の取り扱いについて
Q4. 取締役会で内定した役員退職給与について
Q5. 固定資産税の損金算入時期について
Q6. 宅急便による確定申告の提出期限
Q7. 会社の創立30周年記念パーティの費用
Q8. 最低資本金制度の特例(1円会社)
Q9. 消費税の総額表示方式について
Q10. 最低家賃の計算方法について
Q11. 保証金のうち返還しない部分の取扱いについて



Q1. パソコンの本体価額とアプリケ−ションソフトとの区分

この度パソコンを購入致しましたが、レシ−ト上、本体価格とプリインスト−ルされているワ−プロソフト等が区分されておりません。どのように取り扱えばよいのでしょうか。

A. 一括して資産計上できます
一般的にパソコンはOSといわれる基本ソフトのほか、ワ−プロソフト等アプリケ−ションソフトが最初から組み込まれた形で販売されています。このような場合においては、アプリケ−ションソフトはOSと同様にコンピユ−タ−を動作させる上で必要なものであり、コンピュ−タ−本体の一部をなすものと考えてよいでしょう。

したがって、このようなケ−スでは購入価額の全額をパソコン本体として取り扱うことが できます。

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Q2. 中古家屋の耐用年数の見積り

私の会社では、今年社員の寮として中古のマンション(鉄筋コンクリ−ト造耐用年数47年建築後20年6ヶ月経過)を購入致しました。そこでこのマンションに適用する耐用年数を見積もりたいのですが何か良い方法はないでしょうか。

また、購入代金のほか仲介手数料、及び不動産取得税を支出しました。これらの費用は、土地や建物の取得価額に含めなくてはいけないのでしょうか。

A. 簡便法をご紹介します
残存耐用年数の見積もりが困難な場合には下記のような見積もりの簡便法が認められています。
  1. 法定耐用年数の全部を経過した中古資産
    残存耐用年数=法定耐用年数×20%
  2. 法定耐用年数の一部を経過した中古資産
    残存耐用年数=(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%
    ※残存耐用年数に1年未満の端数があるときは、その端数を切り捨て、2年に満たない場合には2年とする。
したがいまして、このケ−スにおいては、次のように見積もります。
47年−20年6ヶ月+20年6ヶ月×20%=30年6月→30年

また、仲介手数料は、購入のために直接要した費用であり、取得価額に含められることになりますが、不動産取得税や登録免許税などは土地等の取得後の事後費用と認められますから、強いて土地等の取得価額に含める必要はなく、支出した事業年度の損金として認められます。

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Q3. 会社設立1期目の経費の取り扱いについて

当社は今年2月に設立致しましたが、当初、新人社員の教育・訓練等に力を入れたこともあり、本格的な営業に至らず6月の決算を迎えました。売上に比して社員の給料・教育費・広告宣伝費・支払利息等相当な費用がかかってしまい、設立一期目の今期は残念ながら赤字決算となりそうです。ついては、これらの費用の一部を繰延資産(開業費)として経理し、来期以降に償却したいと考えていますがいかがでしょうか。

A. 広告宣伝費・教育費は繰延資産(開業費)なりますが給料及び支払利息を繰延べることは出来ません(当期の損金となります)
法人税法上、開業費とは開業準備のために特別に支出した広告宣伝費、教育費、接待費、旅費、調査費等は開業費に含まれますが、支払利子、使用人給与、家賃、水道光熱費等のような経常的費用は、開業費に含まれません。したがって、ご質問の費用のうち広告宣伝費は、開業費として繰延資産に計上し、翌期以降の事業年度で任意の額の償却をすることができますが、それ以外の費用は繰延資産に該当せず、支出した事業年度の損金の額に算入せざるをえません。

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Q4. 取締役会で内定した役員退職給与

当社は、3月決算の法人です。昨年12月に取締役が退職いたしましたので、取締役会において支給を内定いたしました。
この退職金については、今期の決算において損金算入が認められるでしょうか。

A. 3月末までに退職金を支給し、かつ損金経理した場合には損金算入が認められます
役員に対する退職給与は、その支給額について株主総会の決議が必要とされています。そこで、役員に対する退職給与の損金算入時期は、株主総会の決議によりその支給すべき金額が具体的に確定した日の属する事業年度とされています。

ただし、株主総会の決議の前であっても取締役会の決議により退職給与を現に支給する法人もあり、法人が退職給与の額につきこれを実際に支給した日の属する事業年度において損金経理した場合には、株主総会の決議の前であっても損金算入が認められることとされています。
あくまで、支給することが要件となっておりますので、損金経理によって未払計上しても認められません。また、退職給与の額が過大でないことが前提とされることは言うまでもありません。

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Q5. 固定資産税の損金算入時期について

当社は、4月決算の法人です。東京都中野区に土地を所有しております。
この土地に係る14年度固定資産税については、この決算である平成14年4月期に未払計上して損金の額に算入しよ うと考えておりますがいかがでしょうか。

A. 4月決算法人は、固定資産税を未払計上できません
固定資産税の損金算入時期は、原則として、賦課決定のあった日の属する事業年度において損金算入され、法人がその納付すべき日の税額をその納期の開始する日、または実際に納付した日の属する事業年度において損金経理した場合には、その事業年度において損金算入されることとなっています。

東京都の場合、固定資産税の賦課決定の通知は、毎年6月となっていますので、その損金算入時期は、賦課決定のあった日の属する事業年度である平成14年6月を含む事業年度となります。したがって、平成14年4月期においては、損金算入することは認められません。

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Q6. 宅急便による確定申告の提出期限

当社は4月決算の法人です。法人税の申告期限は6月30日でした。
6月30日に宅急便業者に申告書の配送を依頼し、翌日(7月1日)に税務署に到着いたしました。

この場合の申告書は宅配を依頼した6月30日に提出したもの(期限内)として取り扱われるものなのでしょうか。

A. 期限内申告としては認められません
一般に郵送による申告書については、その郵便物の通信日付印が提出の日と見なされています。ところが宅急便による配送は、郵送により提出したものと認められていないのです。

したがって、貴社の申告書は税務署で申告書を収受した日(7月1日)をもって提出日として取り扱われますので、期限後申告とされます。

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Q7. 会社の創立30周年記念パーティの費用

当社は、創立30周年を迎えましたので、ホテルに取引先、同業者等を招いて記念パーティを催しました。

このパーティには従業員も出席させましたが、このパーティに要した費用のうち従業員に係る部分の金額は福利厚生費として処理したいと思いますが、差し支えないでしょうか。

A. 従業員に係る部分の金額についても交際費とされます
交際費とは、「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用」とされており、この「事業に関係のある者等」には従業員も含まれることとされています。

したがって、そのパーティが従業員の福利厚生に役立つものであっても、従業員にかかる部分の金額を交際費から除くことは認められません。
また、取引先等を招待しないで、従業員(役員を含む)だけの内輪の会を催した場合には、一般的に福利厚生費とすることができます。



Q8. 最低資本金制度の特例(1円会社)について

個人で事業をしてきましたが、規模も大きくなってきましたので取引先からの要請もあり法人成りを考えていました。しかし、資本金を調達しなければならないので躊躇していたところです。
先日、知り合いから会社設立に資本金が不要になったような話を聞きましたが 本当の話なんでしょうか。


A. 会社(株式会社・有限会社)の設立に際して最低資本金を5年間猶予する法律が成立し、15年2月より施行されています。

  1. 趣旨
    株式会社の場合で最低1000万円、有限会社の場合で最低300万円の資本金を調達しなければならないことが起業の障害となっている現況に考慮して最低資本金の調達を会社の設立時から5年間猶予し、経済の活性化を側面支援しようとするものです。

  2. 経緯
    経済産業省の主導で提出された「新事業創出促進法」改正案が平成14年11月15日に国会で成立し、15年2月より施行されました。
    改正に時間のかかる商法、有限会社法の最低資本金に関する規定は残したまま規制緩和の特例措置の要請に「新事業創出促進法」の改正で対処しようとするものです。

  3. 特例の要件等
    1. 「新事業創出促進法」に定める「創業者」に該当するかどうかについて経済産業大臣の確認を受けなければなりません( ここでいう創業者とは事業を営んでいないが二ケ月以内に事業を開始する具体的な計画を持っていて、そのために新たに会社を設立しようとしている個人をいいます)。
    2. 設立時及び新株発行時の払込取扱機関の払込保管証明義務を免除とされたため本来、会社の設立に必要とされている金融機関等への事務委託が不要となります。
    3. 資本の額を最低資本金以上とするための増資、合名・合資会社への組織変更に伴う登記の申請を行わわないままで設立の日から5年を経過した場合等には解散しなければなりません。
    4. 合名会社・合資会社へ組織変更できるようにするための所要の規定の整備が行われます。
    5. 純資産額から、(資本の額に代えて)最低資本金の額(株式会社の場合1,000万円、有限会社の場合300万円)を控除した残額を限度に配当等することができることとされました。
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Q9. 消費税の総額表示方式について

実家が文房具屋をやっておりますが、最近16年4月より商品の価格の表示方法は消費税を含めたものにすることが必要になったと知りました。
うちは、消費税については課税事業者となっているようです。
売上時にレジを利用していて、お客さんにはレシートを発行しています。
商品には小物が多いので個々に値札を付けているわけでもありません。
どのように対応したら良いのか教えて下さい


A. 総額表示の義務付けは、消費者が商品やサービスを購入する際に、「消費税相当額を含む支払総額」を一目で分かるようにするためのものですが、現状は、税抜きの本体価格のみが表示されるいわゆる「税抜価格表示」が一般的ですのでこの方式が定着するまでにはしばらくの時間 を要するでしょう。

(1)総額表示義務の概要
     
  1. 総額表示の義務の対象
    総額表示の義務付けは、不特定かつ多数の者に対する(一般的には消費者取引における)値札や広告などにおいて、あらかじめ価格を表示する場合を対象としています。

    そこで、具体的には以下のような価格表示が考えられています。
       
    • 値札、商品陳列棚、店内表示、商品カタログ等への価格表示
    •  
    • 商品のパッケージなどへの印字、あるいは貼付した価格表示
    •  
    • 新聞折込広告、ダイレクトメールなどにより配布するチラシ
    •  
    • 新聞、雑誌、テレビ、インターネットホームページ、電子メール等の媒体を利用した広告ポスターなど

    尚、次の点にはご留意下さい。
    • 例えば高級な寿司屋(?)における「時価」等、従来より具体的な価格表示を行っていない場合についてまで表示を強制するものではありません。
    • 見積書、契約書、請求書等は総額表示義務の対象にはなりません。
    • 今回の改正はレジシステムやレシートの記載方法の変更を必ずしも義務づけるものではありません。
    • 一般的な事業者間取引における価格表示は、総額表示義務の対象にはなりません。もちろん、製造業者や卸売業者が任意に総額表示とすることを妨げるものではありません。
    • 小売段階において、取引の相手方が最終消費者か、あるいは事業者としての顧客かを判断したり、取引の相手方によって表示方法を変えるということは事実上不可能なので取引の性格に着目し、特定の取引先に限定することなく、「不特定かつ多数の者」を対象として行う取引を総額表示義務の対象としているわけです。
  2. 表示例
    総額表示の基では、本体価格が8,800円の品物を例にとって考えてみますと、その品物の価格を表示する場合には、消費税含む「9,240円」という価格が値札や広告などのどこかに表示されなければいけません。具体的な表示例、認められない場合の例と望ましくない例は以下のとおりです。

     ○総額表示の具体例
       ・ 9,240円
       ・ 9,240円(税込み)
       ・ 9,240円(税抜き8,800円)
       ・ 9,240円(うち消費税440円)
       ・ 9,240円(税抜き8,800円、税440円)

     ○総額表示として認められない例
       ・ 8,800円+税
       ・ 8,800円(税抜き)
       ・ 8,800円+税440円

    ○総額表示として望ましくないと考えられる例
       ・ 8,800円(税込み 9,240円)

    また、個々の商品に税込価格が表示されていない場合であっても、棚札やPOPなどによって、その商品の「税込価格」が一目で分かるようになっていれば、総額表示義務との関係では問題ありません。


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Q10. 最低家賃の計算方法について

本社が手狭になってきましたので、郊外にもう少し広めの場所を探すつもりです。 現在の社屋は一部改装して役員の社宅に提供したいと考えています。
もちろん家賃は負担してもらうつもりですが、どの程度徴収したら適当なのかよく解りません。建物は会社の所有ですがかなり古いものです。また土地は借地です。

(状 況)
建 物:会社所有 120平方メートル(木造)固定資産課税標準額  8,000,000円
土 地:月50,000円で賃借        固定資産課税標準額 10,000,000円


A. 税法上、最低家賃の計算方法が定められていますので、家賃が不足している場合にはその役員に対する経済的利益として取り扱われ給与課税(源泉税)の対象とされてしまいますので慎重に決定しなければなりません。

(1)原則的な計算
1.通常の賃貸料
次に掲げる算式により計算した金額とします。但し、次の算式で計算した金額が会社が他から借り受けて住宅等を貸与した場合に支払う賃借料の額の50%に満たない場合はその賃借料の額の50%に相当する金額とします。

イ. 家屋の固定資産課税標準額×12%(木造以外については10%)×1/12
ロ. 敷地の固定資産課税標準額×6%×1/12
ハ. イ+ロ=賃貸料相当額(月額)

2.小規模住宅にかかる賃貸料
家屋の床面積132平方メートル(木造家屋以外の家屋については99平方メートル)以下であるものに係る通常の賃貸料の額は、上記1に係わらず、次に掲げる算式により計算した金額とします。

イ. 家屋の固定資産課税標準額×0.20%+12円×家屋の総床面積/3.3平方メートル
ロ. 敷地の固定資産課税標準額×0.22%
ハ. イ+ロ=賃貸料相当額(月額)

3.事例のケース
  1. 通常の賃貸料
    (1)8,000,000円×12%(木造)×1/12 = 80,000円
    (2)イ. 50,000円×1/2 = 25,000円
      ロ. 10,000,000円×6%(木造)×1/12 = 50.000円
      ハ. イ<ロ ∴.50,000円
    (3)(1)+(2)= 130,000円
  2. 小規模住宅にかかる賃貸料
    (1)120平方メートル≦132平方メートル ∴ 適用あり
    (2)家屋  8,000,000円×0.20%+12円×120平方メートル/3.3平方メートル
                                       =16,436円
    (3)土地 10,000,000円×0.22%=22,000円
    (4)(2)+(3)=38,436円
  3. 1>2 ∴ 38,436円
(2)特 則
  1. 豪華役員社宅の賃貸料
    役員に貸与している住宅がいわゆる豪華社宅である場合の賃貸料はその住宅が一般の賃貸住宅である場合に授受されると認められる賃貸料相当額とされています。一般的には家屋の床面積が240平方メートルを超えるものが豪華住宅とされていますが、240平方メートル以下であってもプ−ル等の役員個人の嗜好を著しく反映した施設を有するものについては、いわゆる豪華な役員社宅として取り扱われます。

  2. 使用人社宅の賃貸料
    会社が使用人に対して貸与した住宅等につきその使用人にから実際に徴収して いる賃貸料の額が上記の小規模住宅にかかる賃貸料により計算した金額の50%以上である場合については、その使用人の住宅等の貸与により受ける経済的利益はないものとされています。

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Q11. 保証金等のうち返還しない部分の取り扱いについて

建物の賃貸借にかかる保証金・敷金等の内返還を要しない部分の取り扱いについて
教えて下さい。

A. 資産の賃貸借契約等に基づいて保証金、敷金等として受け入れた金額であっても、その金額のうち期間の経過その他当該賃貸借契約等の終了前における一定の事由の発生により返還しないこととなる部分の金額は、その返還しないこととなった日の属する事業年度の益金の額に算入することになります。賃借人側はその金額を繰延資産として経理し賃貸の契約期間に応じて償却していくこととなります。

保証金・敷金の処理
(賃借人)
差入敷金保証金 (3,950,000) 預金(5,000,000) 
繰延資産     (1,000,000)
仮払消費税   (50,000)

(賃借人)
第1法
預金    (5,000,000) 預り保証金 (3,950,000) 
                雑収入   (1,000,000)
               仮受消費税 (50,000)
第2法
預金    (5,000,000)   預り保証金 (5,000,000) 
償却保証金 (1,050,000)  雑収入   (1,000,000)
                 仮受消費税 (50,000)


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