会社設立後の税務カレンダー
設立1期目の会社に対するワンポイントアドバイス
1. 会社設立前に支出した費用の取り扱い
会社の設立前に支出した金額であっても下記に該当すれば会社の繰延資産としてとり扱うことが可能です。下記の繰延資産は、商法上は5年間で均等償却となっていますが税法上は任意償却が認められています。任意償却とは会社の判断で随時損金算入が認められるということです。
- 創立費(税法では創業費)
法人の設立に伴い支出する次のような費用は創立費とすることができます。
定款、株式申込書、設立趣意書、目論見書等の作成費、株主簿集費用、株券印刷費用、設立登記費用(登録免許税)、金融機関の取扱手数料、創立総会に関する費用、発起人報酬、設立事務に使用する使用人の給料
- 開業費
開業の準備のために会社設立後、営業開始までに支出した次のような費用は開業費とすることができます。
- 業務用物品の購入費、印鑑や名刺の作成費、業務案内や広告用チラシ等の作成費
- 調査費や資料代、接待費(関係者との飲食代等)、準備活動に要した交通費等
但し、支払利子、使用人給料、事務所賃借料、水道光熱費等は開業費に含まれず経常的な費用として初年度の損金とされることとなります。
| 開業初年度は黒字にならないことも多いですから、これらの費用を繰延資産として経理し翌期以降の費用とすることが選択できるようになっているのです。 |
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2. 役員報酬の決定について
株主総会にて取締役・監査役の報酬の支給限度額を決定し、取締役会に於いて各人の支給額を具体的に定めるることになります。
役員報酬はいったん定めたら相当の期間(1年間くらい)は変更しないことが原則です。会社の損益との兼ね合いで役員報酬を恣意的に変えている場合には利益調整とみなされて法人税の課税をされてしまうこともありますので注意しなければなりません。
3. 給与等にかかる源泉税の納期限について
| 原則 |
給与等の支払月の翌月の10日 |
| 特則 |
従業員10人未満の事務所等が「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書」を提出した場合には次のように年2回払いとすることができます。
→1月から6月分については 7月10日
→7月から12月分については 翌年1月20日
特則の適用は申請月の翌月末が自動承認日です。
提出日の翌月に支払う給与等から適用となります。 |
| (例) |
申請日が4月20日の場合
4月支払分給与等→5月10日納期限
5月〜6月支払分給与等→7月10日納期限 |
4. 給与等にかかる源泉税の納付について
- 給与の支給対象者から「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を取得して下さい。
源泉税は扶養親族等の数に基づいて計算されますので予め扶養の有無や人数を確認しておく必要があります。また、この申告書が提出されていないと主たる給与(甲欄)と取り扱われれず、従たる給与(乙欄)として源泉税(高率の源泉税)が計算されることとなりますのでご留意下さい。
- 源泉税が発生しない場合も納付書は作成し税務署に提出して下さい。
現行1人当たり87,000未満の給料については源泉税が課されないこととなっています(甲欄適用の場合)。しかし、税額が発生しないような場合には納付に代えて源泉税の納付書を税務署に提出して下さい。納付書の控えに税務署の収受印をもらっておいて下さい。
一般的には、源泉税の納付(納付がない場合の提出を含む)があれば給料等の支給の事実関係について問題にならないことが多いようです。
- 源泉税納期の特例の適用を受けて下さい。
毎月、源泉税の納付を行うのは事務的に煩雑であると思いますし、6カ月の猶予期間内に給与の見直しを行う余地を残しておくメリットもあるからです。
5. 青色申告の承認申請書の提出期限について
青色申告の承認申請書は設立の日以後3ケ月を経過した日または事業年度了日のうちいずれか早い日の前日までに提出しなければなりません。
例えば1期目の事業年度が4月1日から6月30日までとすれば提出期限は8月1日(三ヶ月を経過した日)の前日である7月31日と6月30日(事業年度終了の日)の日の前日である6月29日のいずれか早い日ということになります。6月30日でなく6月29日であるところがポイントです。
仮に6月30日に提出しても1期目は青色申告が適用できません(白色申告では1期目の損失が翌期に繰り越せません)。
6. 消費税課税事業者選択届出書の検討
- 提出期限
【原則】 適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで
【事業を開始した日の課税期間】 その課税期間の末日まで
- ポイント
もともとの免税事業者が課税事業者を選択するための届出書 輸出事業者や 設立1期目に多額のイニシャルコストが生じた場合にその消費税について還付を受けようとする場合に選択します。但し、いったん選択すれば2年間継続適用しなければなりませんので2期の通期の見込みに基づいて判定する必要があります。
尚、株式会社については新設法人(基準期間のない法人で資本金が1千万円以上であるもの)に該当するため1期目及び2期目は自動的に課税事業者(3期目以降は前々事業年度の実績により判定する)となるので課税事業者選択については3期目以降のテーマとなるでしょう。
7. 消費税簡易課税制度選択届出書の検討
- 提出期限
【原則】 適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで
【事業を開始した日の課税期間】 その課税期間の末日まで
- ポイント
上記6の消費税課税事業者選択届出書を提出した法人及び消費税法上の新設法人(基準期間のない法人で資本金が1千万円以上であるもの、一般的には株式会社が該当します)は設立初年度から課税事業者となるため簡易課税と一般課税との有利選択をすることができます。
いったん提出したら2年間継続適用しなければならないので2期の通期の見込みに基づいて判定する必要があります。
また、簡易課税の適用時期は次のパターンが考えられます。
- 1期目及び2期目が簡易課税で3期目はあらためて判断する
- 1期目が一般課税で2期目及び3期目が簡易課税、4期目はあらためて判断する
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