1円会社設立の知識と準備
最低資本金規制を免除する特例措置の内容
- 資本金1円株式・有限会社を作ることができる人は?
- 資本金は全く必要なくなるのでしょうか?
- 資本金免除の特例をうけるためには
- 設立から5年たっても最低資本金が準備できない場合はどうするのか?
- 最低資本金規制の免除の特例を受ける場合と、通常の会社設立と比較して手続きの違いは?
- この特例はいつまで続くのか?
資本金1円の株式会社・有限会社設立手続きの進め方
- 資本金1円有限会社か、1円株式会社か?(設立すべき会社の決定)
- 設立手続きの流れ
- 設立手続きにかかる費用
最低資本金規制を免除する特例措置の内容
1. 資本金1円株式・有限会社を作ることができる人は?
資本金1円会社は、誰でも作ることができるという訳ではありません。これから新たに創業する者で、経済産業大臣から「創業者」であることの確認を受けた者です。
創業者とは「現在事業を営んでいない個人で、2ヶ月以内に新たに会社を設立してその会社を通じて事業を開始する具体的な計画を有するもの」のことをいいます。
もっと分かりやすく言うと、ゼロから起業する個人のことです。
例えば、現在サラリーマンやOL等の給与取得者、主婦、学生、失業者、会社の代表権の無い役員等は現在事業を営んでいない個人なので、創業者にあたります。国籍についても日本人に限定されることはありません。
しかし、既に会社の代表になっている者や個人事業主はここで言う創業者に該当しません。例えばすでに会社を持っている人が新たに有限会社を作りたい場合は、この制度を活用できませんので、通常通り設立時に300万円準備しなければなりません。
ただし、会社の代表権を持つ役員等創業者に該当しない者でも、廃業又は代表権のある役員を辞任した場合は、事業を営んでいない個人になりますので、最低資本金の免除の特例は使えます。また現在個人事業主の方も、個人事業の廃業届を提出して廃業の手続きをとれば、創業者に該当することになりますので資本金1円会社を設立することは可能です。
具体例
| 創業者に該当する人 |
創業者に該当しない人 |
・サラリーマン、OL等の給与取得者
・学生
・主婦
・失業者
・会社の代表権の無い役員 |
・現在会社の代表になっている者
・現在個人事業を営んでいる者 |
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2. 資本金は全く必要なくなるのでしょうか?
最低資本金規制の特例を活用すると、通常ならば設立時に必要な資本金(株式会社は1000万円・有限会社は300万円)を免除されることになります。
ただし最低資本金制度そのものは存在するので、いづれにしても将来的には準備しなくてはなりません。準備する期間は設立から五年以内です。具体的には資本金増資の手続きをしていくことになります。
3. 資本金免除の特例をうけるためには
通常会社を設立する場合は、会社住所を管轄する法務局に会社設立登記申請をします。
資本金免除の特例を受けるためには、会社設立登記の前に創業者に当たる者が経済産業大臣(各地方の経済産業局)に申請し確認を得る必要があります(確認申請)。
この確認を受けて設立した会社は確認有限会社、確認株式会社と規定されます。もっとも確認有限会社・株式会社と規定されても、名刺等に確認有限会社ABCなどの「確認」の文字を入れる必要は全くありません。堂々と有限会社、株式会社名乗って下さい。
具体的な手続きについては、手続きの進め方のところで詳しく説明します。
4. 設立から5年たっても最低資本金が準備できない場合はどうするのか?
設立後5年たっても最低資本金(有限300万円、株式1000万円)に満たない場合は、その会社は解散することになります。もしくは、合名・合資会社に組織変更することになります。確認会社を設立する場合は、5年後までに資本金を準備しなくてはならないことを踏まえて事業計画を建てましょう。
5. 最低資本金規制の免除の特例を受ける場合と、通常の会社設立と比較して手続きの違いは?
設立時に資本金の積み立てを免除されるわけですから、通常の会社設立の場合とちがい、債権者保護の観点から下記の手続き、義務、特則を課せられます。
- 会社設立の届出
設立登記後直ちに経済産業局への届出が必要です。提出された商号・本店所在地等を記載した書面は、経済産業局において公衆縦覧(公開して自由にみせること)に供されます。
- 配当制限の特則
配当するためには、会社の純資産額が、最低資本金額を上回ることを要件とすることになりました。
- 計算書類の提出義務、貸借対照表の公衆縦覧(毎年)
毎年度の決算後3ヶ月以内に、損益計算書や貸借対照表などを提出し、財務状況を縦覧(公開)する必要があります。
6. この特例はいつまで続くのか?
この特例は、今のところ平成20年3月31日までの時限措置となっています。
資本金1円の株式会社・有限会社設立手続きの進め方
1. 資本金1円有限会社か、1円株式会社か?(設立すべき会社の決定)
さて事業計画も決まり、いよいよ設立手続きです。一言で会社を設立するといっても、会社はいくつか種類があります。しかし最低資本金免除の特例を活用する場合は、有限会社か株式会社のどちらかを選択することになります。
株式会社・有限会社の特徴は以下のとおりです。
- 株式会社
将来、積極的に事業を拡大していきたい方にお勧めです。株券を発行することにより広く一般の人から資金を集めることができます。
また有限会社などの他の会社組織と比較して株式会社は社会に対する信頼も大きくネームバリューもあります。反面、会社の役員に任期があったり、監査役の設置が義務付けられたりと規制も多く、費用もその分かかります。
最低資本金は1000万円です(最低資本金の特例を使った場合は5年間で準備する)。
- 有限会社
一人または、親しい友人や親族などと事業を行いたい方にお勧めです。設立の費用も株式会社と比べると少なくてすみます。運営上も役員の任期なども自分達でなければ特に定めはありませんし、監査役の設置の義務もなく株式会社と比べると費用が少なくてすみます。
最低資本金は300万円です(最低資本金の特例を使った場合は5年間で準備する)。
さて、以上の会社の特徴を踏まえてどちらを選択したらよいのでしょうか?
簡単に言えば、将来大きくしたいなら株式、小さく身内でやりたいなら有限を選択するべきでしょう。また事業の種類にもよると思います。
あと重要なポイントは、本当に5年後に資本金が準備できるのかということです。単純に考えても、株式会社の場合は売上の中から毎年200万円を資本金としてストックしていかなければならないことになります。
安易に資本金1円株式会社を設立して、5年後までに資本金1000万円が用意できていないと、無理な借金をすることになります。そして準備できない場合は、会社を解散することになります。将来のことを考えて会社を選択しましょう。
そこそこの規模で、安全にいくならば有限会社の選択がよいでしょう。資本金は5年間で300万を準備することになるので、こちらは年間60万円のストックですみます。
また業績好調で、事業を拡大したい時は有限会社から株式会社への組織変更も可能です。
2. 設立手続きの流れ
さて、会社の種類も決まったところで、具体的な設立手続きに入ります。 ここでは、手続きの流れにそってフローチャートで説明します。
| 株式会社の場合 |
有限会社の場合 |
| 1.発起人の決定 |
1.社員(出資者)の決定 |
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2.商号(会社の名前)・目的(ビジネスの内容)の決定、その他会社の基本事項(本店所在地、資本金の額、会計年度等)を決める。
・本店所在地予定の管轄法務局にて、類似商号の調査をする。 |
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| 3.会社代表印の作成、関係者の印鑑証明書の取得 |
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| 4.定款を作成する |
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| 5.公証役場にて定款認証を受ける |
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| 6.創業者であることの確認手続きを取る(経済産業省に申請して、確認を受ける) |
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(発起設立の場合)
7.取締役・監査役決定 |
(募集設立の場合)
7.創立総会の開催 |
7.社員総会の開催 |
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| 取締役会の開催(代表取締役の決定) |
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| 8.設立登記申請書を作成し、登記申請をする。 |
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| 9.設立登記が完了すると会社設立 |
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| 10.官庁へ届出、経済産業局への会社設立の届出 |
3. 設立手続きにかかる費用
資本金以外に最低限かかる費用は以下のとおりです。
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株式会社 |
有限会社 |
| 定款に貼る印紙代 |
4万 |
4万 |
| 公証人の認証手数料 |
5万 |
5万 |
| 登録免許税 |
15万 |
6万 |
| その他諸費用 |
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さて、ここまできて資本金1円の会社の設立方法も分かったと思います。一念発起して資本金1円会社設立にトライしましょう。
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